Moodleは教員と学生との間でインターネットを介してやりとりができる教育支援システムです。 Webページとして動作しているので、ネットが使える環境であればいつでもどこからでも利用できます。
Moodleでは、授業の科目に相当するものを「コース」と呼びます。自分が担当する科目のコースを作成して教材を配置し、学生をそのコースへと登録させることで、学生への連絡や資料配布、課題の回収などのさまざまな教育・学習活動をオンラインでおこなえます。
授業で利用するには下記の流れで作業をおこないます。
なお、Moodleを利用するには、まずMoodleへログインする必要があります。 まだログインできていない方は、まず「こちらのページ」を参照してください。
まず、授業用のコースを作成する必要があります。あらかじめ次の項目について決めておいてください。
カテゴリ: 部局の名称です(薬学部、獣医学部、医学部、などからの選択)。
(1年生を対象とした専門以外の科目は「一般教育部」を選択)
コース名: 原則として「科目名(担当者名)」という形式で設定します。
登録キー: 受講生だけが登録できるようにするためのパスワードです。
(Moodle上のユーザなら誰でも登録できるようにしたい場合には不要です)
これらを用いて具体的にコースを作成する方法は、下記をリンク先を参照してください。
なお、コース名について、自由に記入できるシステムになっていますが、Moodleでは同じ名前のコースを複数作ることはできないので、他学部との重複を避けるために「科目名(担当者名)」という形式にしてください(例えば「情報科学A(高橋)」など)。
ひとつの科目をわけて運用したい場合などは、コース名を適宜工夫していただいてかまいません(例えば「情報科学」という科目をG1とG2の2つのグループに分けて別々に開講している場合に「情報科学:G1対象(高橋)」「情報科学:G2対象(高橋)」の2つのコースを作成するなど)。
なお、Moodleには参加者をグループに分ける機能もあるので、そちらの利用も検討してください。
Moodleでは「編集モード」に切り替えることで、コースに教材を追加できます。
教材は下記の流れで追加します。
教材の種類によっては追加後にいくつか作業が必要な場合もあります(例えば小テストでの問題の作成など)。
教材を作成するときに設定した項目は、後で変更できます(教材のページの「歯車」のアイコンを使う)。ただし運用後に変更できなくなる例外的な設定項目もあるので注意してください(例えば匿名か記名かの設定など)。
保存してコースに戻る前であれば、「キャンセル」をすることができます。また、追加した教材はいつでも削除できます。
まずは、下記のリンク先を参照して「ラベル」の教材を追加してみてください。
学生は、コースに自分自身を登録することで、そのコースを「学生の立場」で利用できます。
自分の授業を履修する学生へ、コースの情報(カテゴリ、コース名、登録キー)を伝えてください。対面での授業中や、電子メール、紙の資料の配布や郵送などの方法が考えられます。
学生に伝える際に利用できる用紙のフォーマットを用意してあります。これには登録のしかたが書かれているので、適宜、編集して活用してください。
なお、登録した学生の情報は、コースのトップページのサイドメニュー(左上の線が3つ描かれたボタンを押すと表示される)の「参加者」の項目で確認できます。また、不適切な学生が登録した場合には、この「参加者」の項目でその学生を除外できます。
学生の登録が完了してしまえば、後は教材を用いて様々な学習活動をおこなえます。
教材の運用のしかたは、その教材の種類ごとに異なります。
全ての教材の使い方を覚える必要はありません。利用したい教材の種類を選んで、使い方を調べ、ご自身の授業でぜひ活用してください。
以下では、目的ごとに使える教材を紹介しています。なお、新型コロナウイルスへの対応として、今後は通常よりも多くの教員がMoodleを使うことも想定されます。動作が重い教材(小テスト、レッスン、SCORM、チャット、アンケート)はサーバーに大きな負荷がかかるので、同時に多人数が利用するような使い方は避けてください。
受講生への連絡だけにMoodleを使う場合は、教材を追加する必要はありません。
コースを作成すると、自動的に「アナウンスメント」という名前の電子掲示板が作成されます。これは教員だけが書き込みでき、投稿した内容はコースの登録者全員へとメールされます(大学が提供するメールアドレスへとメールされます)。
ファイルを添付することもできるので資料の配布にも使えます(添付したファイルはMoodle上に保存され、メールにはそこへのリンクが記述されるので、メールのサイズを気にする必要はありません)。
「URL」の教材を使うと、他のWebページへのリンクを作ることができます。
Web上ですでに公開されているページを学生へ提供したい場合に活用できます。コピーをして配布する場合とは異なり、リンクは複製をしないので著作権上の問題も生じません。
また、大学のMoodleには容量や通信量に限界があるので、大量の動画教材やサイズの大きな配布資料を提供するには他のシステム(YoutubeやGoogleDriveなど)を使ったほうが無難です。Moodleとは別の使い慣れたシステム(twitterやGoogle Classroomなど)と併用したいこともあるでしょう。他のシステムへのリンクを作ることで、そちらへ誘導することもできます。
「フォルダ」の教材を使うと、電子的なファイルを簡単にアップロードして学生へ提供できます。
この教材を使うと、教員はドラッグ&ドロップでファイルをアップロードでき、学生はそれをダウンロードできます。ただし、学生が開くことのできる保存形式のファイルでないと、内容を閲覧できないので注意してください。
なお、Moodleで扱えるファイルのサイズや全体の容量には限界があるので、動画のような大きいサイズのファイルを扱いたい場合は外部のシステム(GoogleDriveなど)に保存して、上述の「ネット上の資料などへ誘導する」方法(URLの教材)を使うことをお勧めします。
「フォーラム」の教材を使うと、いわゆる「電子掲示板」を作ることができます。
学生間の交流の場を用意したり、学生からの質問を受け付けて回答するのに利用したりできます。
「投票」の教材を使うと、とてもシンプルなアンケートをとることができます。
教員は、ひとつの質問項目と、それに回答可能な複数の選択肢を設定できます。学生は回答を選択することができ、その結果を教員が閲覧したり、学生も閲覧できるようにしたりできます。
複数の質問を集めたアンケートをとりたい場合は、「フィードバック」または「アンケート」の教材を利用してください。
「課題」の教材を使うと、学生に課題を出題し、学生が作成したファイルを回収し、点数とコメントをつけて返却できます。
短い文章を提出させれば済む場合には、ファイルを提出させるかわりに、ブラウザ上でオンラインに文章を書かせることもできます。
厳密な締め切りを設定して遅れた場合には提出できなくしたり、それとは逆に何度も提出可能な設定にして、不備がある提出物に対して再提出を促したりすることもできます。
また、学生は自分が提出したファイルをMoodle上で確認でき、それぞれの提出物は学生ごとに区別されます。ですから、メールでの回収とは異なり、届いているか不安になることや、別々の学生が同じファイル名で提出をしてきて混乱することはありません。
「小テスト」の教材を使い、あらかじめ「問題と解答」を複数作成しておき、それを組み合わせることで小テストを実施することができます。
ただし、「小テスト」は処理が重い教材なので、多人数が同時に受験するような使い方(100人規模の授業で全員に短時間で受験させるなど)は避けてください。授業時間外の予習・復習として受験させるような使い方を推奨しています。
〇×問題や多肢選択問題、組み合わせ問題、数値入力問題、など、正しい答えが機械的に判断できるタイプの問題を作成できます。
採点は自動的におこなわれるため、教員が採点をする必要はありません。学生の回答に応じたコメントをあらかじめ設定しておいて、それを表示させることもできます。
様々な受験方法を設定できるので、1回の受験で点数を決める方法や、繰り返し受験可能にして最高得点を採用するような使い方もできます。
Moodleにはこれらの他にも様々な機能があります。高度な機能としては、例えば学生の権限の範囲を変更することなどもできます。これらの機能は「歯車」のボタンの「さらに…」の項目から設定できますが、十分に理解をして慎重に使わないと、その後の運用で思わぬトラブルが発生する可能性もあります。どうしても高度な機能を使いたい場合は、各自の責任で十分に注意をして作業をしてください。
Q. 学生から自分のメールアドレスを隠したい(アカウント申請時に学生向けではないアドレスを指定した場合など)。
A. 下記の方法で学生からメールアドレスを隠すことが可能です
なお、教師やサイト管理者などは「権限のあるユーザ」になります。権限のあるユーザからは隠すことはできません。